◆英語タイトル：Patient Portal Market Report by Portal (Integrated Patient Portal, Standalone Patient Portal), Deployment Mode (Cloud-based, On-premises), End User (Hospitals and Clinics, Pharmacies, and Others), and Region 2024-2032
	◆商品コード：IMARC24APR323 ◆発行会社（リサーチ会社）：IMARC ◆発行日：2024年3月 ◆ページ数：142 ◆レポート形式：英語 / PDF ◆納品方法：Eメール ◆調査対象地域：グローバル ◆産業分野：医療

世界の患者ポータル市場規模は、2023年に38億920万米ドルに達しました。今後、IMARC Groupでは、2024年から2032年にかけての成長率（CAGR）は11.61%で、2032年には10,537.7百万米ドルに達すると予測しています。患者ポータルの特徴や機能の改善や強化が進んでいること、革新的なソリューションを開発するために医療機関とテクノロジー企業との協力関係が高まっていること、電子処方システムとの統合が進んでいることなどが、市場を推進している要因の1つです。
患者ポータルとは、患者が自分の健康関連情報にアクセスし、便利かつ内密に管理できる安全なオンライン・プラットフォームです。患者と医療提供者間のコミュニケーションの架け橋となり、さまざまな機能やサービスを提供します。このポータルサイトでは、検査結果、予約履歴、投薬などの医療記録を閲覧することができます。また、セキュア・メッセージングを通じて医療提供者とコミュニケーションをとることができるため、緊急でない事柄については電話や直接訪問をする必要がありません。さらに、患者は処方箋の補充を要求したり、予約を入れたり、次回の診察や予防検診のリマインダーを受け取ることができます。このようなポータルサイトにより、患者は自分のヘルスケアに積極的に関与できるようになり、十分な情報に基づいた意思決定や経過のモニタリングが可能になります。これらのプラットフォームの安全な性質は、データのプライバシーと機密性を保証し、患者と医療提供者の間の信頼を築きます。また、健康関連情報を管理するためのユーザーフレンドリーでアクセスしやすいインターフェイスを提供することで、患者エンゲージメントを高め、医療プロセスを合理化し、患者体験を向上させます。

世界市場の主な原動力は、医療施設における電子カルテ（EHR）の導入拡大です。これに伴い、患者中心のケアと患者エンゲージメントへの注目が高まっており、市場に大きく貢献しています。さらに、Meaningful Use要件のためにこれらのポータルを促進する政府の世界的なイニシアチブは、市場にプラスの影響を与えています。これとは別に、急速な技術進歩が市場に数多くの機会を提供しています。さらに、患者の情報機密性を保証するデータセキュリティ対策の強化が市場を活性化しています。そのほか、医療情報への便利でリモートなアクセスに対する需要の高まりも、市場を後押ししています。さらに、価値観に基づく医療へのシフトが、医療提供者に患者のコミュニケーションと協調の改善を促しており、市場を後押ししています。

患者ポータル市場の動向/促進要因
モバイルアプリケーションとの統合の増加

患者ポータルとモバイルアプリケーションとの統合が進んでいることが、市場に好影響を与えています。この統合により、患者は医療情報への利便性とアクセス性が向上し、外出先での健康管理が可能になります。モバイルアプリからアクセス可能なポータルサイトでは、スマートフォンやタブレットから直接、医療記録や検査結果、今後の予定を確認することができます。また、通知やリマインダーを受け取ることもできるため、治療計画への関与と遵守が強化されます。さらに、モバイルアプリケーションとの統合により、患者は医療提供者と安全にコミュニケーションを取ることができ、リアルタイムでのやり取りが容易になり、緊急性のない問い合わせに対する応答時間が短縮されます。医療提供者もこの統合から恩恵を受け、より幅広い患者層にリーチし、患者エンゲージメントを高めることができます。患者がいつでもどこでも自分の健康情報にアクセスできることは、エンパワーメントとケアへの参加意識を育み、最終的には健康状態の改善と患者の満足度につながります。モバイル機器の利用が増加し続ける中、これらのポータルとモバイルアプリケーションのシームレスな統合は、患者に健康管理におけるより大きなコントロールと利便性を提供し、市場をさらに推進すると予想されます。

医療費の増加とデジタルヘルス・ソリューションへの投資

医療支出の増加とデジタルヘルス・ソリューションへの投資が市場に大きく貢献しています。世界中の医療制度が増大する課題に直面する中、効率的で患者中心のソリューションを導入することの重要性が認識されるようになっています。医療提供者や医療機関は、患者エンゲージメントの向上、管理プロセスの合理化、医療提供の強化を目的に、デジタルヘルス技術に投資しています。ポータルは、こうしたデジタルヘルス・ソリューションの重要なコンポーネントとして登場し、患者が自分の健康情報にアクセスし、医療従事者とコミュニケーションをとり、治療に積極的に参加できる安全でアクセスしやすいプラットフォームを提供しています。このようなポータルへの投資は、より良いケアコーディネーション、事務処理の軽減、患者の転帰の改善を通じてコスト削減を達成できる可能性が原動力となっています。患者が自分の健康管理により積極的に参加できるようにすることで、これらのポータルは患者の満足度とロイヤルティの向上につながります。医療費の増加が続く中、こうしたポータルやその他のデジタル・ヘルス・ソリューションの採用は拡大し、医療情勢を一変させ、市場のさらなる拡大を促進すると予想されます。

慢性疾患管理における集団健康管理と患者エンゲージメントへの注目の高まり

慢性疾患管理における集団健康管理と患者エンゲージメントへの注目の高まりが市場を活性化しています。医療制度が全体的な健康アウトカムの改善とコスト抑制を目指す中、予防医療と慢性疾患管理へのシフトが進んでいます。これらのポータルは、患者が自分の健康情報に簡単にアクセスできるようにし、経過を追跡できるようにし、健康管理に積極的に取り組めるようにすることで、集団健康管理のための貴重なツールを提供します。患者はポータルを通じて、パーソナライズされた健康教育資料、予防検診のリマインダー、服薬アドヒアランスのアラートを受け取ることができます。慢性疾患のある患者には、ポータルを通じて遠隔モニタリング、遠隔診察、医療提供者との安全なメッセージのやり取りが可能になり、継続的なケアと疾病管理が促進されます。患者を健康に積極的に関与させることで、これらのポータルは疾病管理を改善し、入院を減らし、患者の転帰を改善します。医療機関が集団健康管理と慢性疾患管理を優先する中、こうしたポータルの採用は今後も拡大し、市場全体の成長に寄与すると予想されます。

患者ポータル業界のセグメンテーション
IMARC Groupは、世界の患者ポータル市場レポートの各セグメントにおける主要動向の分析と、2024年から2032年までの世界、地域、国レベルでの予測を提供しています。当レポートでは、ポータル、展開モード、エンドユーザーに基づいて市場を分類しています。

ポータル別の内訳

統合患者ポータル
スタンドアロン患者ポータル

統合患者ポータルが市場を支配

当レポートでは、ポータルに基づく市場の詳細な分類と分析を行っています。これには、統合型患者ポータルとスタンドアロン型患者ポータルが含まれます。レポートによると、統合型患者ポータルが最大のセグメントを占めています。

統合患者ポータルは、医療提供者の電子カルテ（EHR）システムにシームレスに接続された包括的なソリューションです。検査結果、病歴、治療計画などの医療情報にアクセスするための統一されたプラットフォームを患者に提供します。これらのポータルサイトにより、患者はEHRシステムを通じて医療提供者とのコミュニケーション、予約、処方箋の補充を依頼することができます。このシームレスな統合により、管理プロセスが合理化され、患者と医療提供者間のケア連携が強化されます。

一方、スタンドアロン型の患者ポータルは、医療提供者のEHRシステムと直接リンクしている場合もあれば、そうでない場合もある独立したプラットフォームです。統合患者ポータルと同様の機能を提供する場合もありますが、独立して動作するため、患者はEHRシステムとは別に情報を入力する必要があります。医療機関は、EHRを完全に統合していないスタンドアロン型ポータルを利用したり、複数の医療機関の健康情報に1つのポータルで集中的にアクセスしようとする患者が利用したりすることがよくあります。

展開モード別の内訳：

クラウドベース
オンプレミス

クラウドベースが市場を支配

本レポートでは、導入形態に基づく市場の詳細な分類と分析を行っています。これにはクラウドベースとオンプレミスが含まれます。レポートによると、クラウドベースが最大のセグメントを占めています。

クラウドベースの患者ポータルは外部サーバーにホストされ、インターネットを通じてアクセスします。これらのポータルには、拡張性、柔軟性、インターネット接続があればどのデバイスからでもアクセスできるという利点があります。医療機関は、サービスプロバイダーがクラウドベースのソリューションを管理・更新するため、大規模なITインフラやメンテナンスを避けることができます。このようなポータルは、特に小規模な医療機関や、費用対効果が高く手間のかからないソリューションを求める組織にとって有益です。

一方、オンプレミスの患者ポータルは、医療機関のローカルサーバーやインフラに直接インストールされ、管理されます。この展開モードでは、ポータルを特定の要件に合わせてカスタマイズしたり、既存のシステムと統合したりできるため、より大きな制御とカスタマイズ機能が提供されます。オンプレミス・ソリューションは、組織内で患者データを直接管理できるため、大規模な医療施設や、データ・セキュリティおよび規制コンプライアンスが厳しい医療施設に好まれます。

エンドユーザー別内訳

病院および診療所
薬局
その他

病院と診療所が市場を独占

本レポートでは、エンドユーザー別に市場を詳細に分類・分析しています。これには、病院・診療所、薬局、その他が含まれます。レポートによると、病院と診療所が最大のセグメントを占めています。

病院や診療所は、患者のエンゲージメントとコミュニケーションを強化するための不可欠なツールとして、これらのポータルを広く採用しています。これらの機関は、医療記録、検査結果、予約スケジュール、医療提供者とのコミュニケーションへの安全で便利なアクセスを提供するためにポータルを使用しています。病院や診療所では、このようなポータルを利用することで、患者が積極的に医療に参加できるようになり、ケアコーディネーションや患者の転帰が改善されます。また、管理プロセスを合理化し、事務処理の負担を軽減することで、医療提供者は患者のケアにより集中できるようになります。

一方、薬局では、顧客に付加価値を提供するために、こうしたポータルを取り入れるケースが増えています。これらのポータルサイトでは、患者が投薬情報にアクセスしたり、処方箋の補充を依頼したり、服薬通知を受け取ったりすることができます。薬局はこれらのポータルを利用して、個別の投薬カウンセリングや健康教育リソースを提供することができます。これらのポータルを薬局と統合することで、患者は服薬履歴を確認し、懸念事項や副作用について薬剤師とコミュニケーションを取ることができるため、服薬アドヒアランスと患者の安全性が促進されます。

地域別内訳

北米
米国
カナダ
アジア太平洋
中国
日本
インド
韓国
オーストラリア
インドネシア
その他
ヨーロッパ
ドイツ
フランス
イギリス
イタリア
スペイン
ロシア
その他
ラテンアメリカ
ブラジル
メキシコ
その他
中東・アフリカ

北米が明確な優位性を示し、患者ポータル市場で最大のシェアを獲得

また、北米（米国、カナダ）、アジア太平洋（中国、日本、インド、韓国、オーストラリア、インドネシア、ロシア、その他）、欧州（ドイツ、フランス、英国、イタリア、スペイン、その他）、中南米（ブラジル、メキシコ、その他）、中東・アフリカなど、主要な地域市場についても包括的に分析しています。報告書によると、北米が最大の市場シェアを占めています。

北米は、医療インフラが確立されており、デジタルヘルス技術の導入が進んでいるため、突出した市場となっています。同地域の医療提供者や医療機関は、患者エンゲージメントの強化、医療コミュニケーションの改善、より良いケアコーディネーションの促進を目的として、これらのポータルをいち早く採用してきました。価値観に基づくケアと患者中心のアプローチへの注目の高まりは、この地域全体でこれらのポータルの採用をさらに加速させています。さらに、電子カルテ（EHR）の利用を促進する政府の取り組みやインセンティブも、この地域の市場成長に貢献しています。

一方、アジア太平洋地域は、医療のデジタル化が重視されるようになり、患者の予後改善に対する需要が高まっていることから、大きな成長を遂げています。同地域の医療システムがデジタル変革を遂げる中、ポータルサイトは、患者の医療情報へのアクセス、遠隔診察、投薬管理を強化するための不可欠なツールになりつつあります。この地域の人口の多さと多様な医療事情は、医療提供者と患者の多様なニーズに応えるポータルプロバイダーにとって好機となっています。医療へのアクセスと質の向上を目指す政府の取り組みも、同地域でのポータル導入に貢献しています。

競争環境：
トップ企業は、革新的なソリューションと、患者エンゲージメントと医療コミュニケーションの改善へのコミットメントを通じて、市場の成長を促進しています。これらの企業は研究開発に継続的に投資し、患者ポータルプラットフォームをより使いやすく、安全で、機能豊富なものに強化しています。また、医療機関との戦略的なマーケティングやパートナーシップを通じて、自社ソリューションの認知度向上と普及を支援しています。医療機関と積極的に協力してポータルを導入し、統合と活用を成功させるための包括的なトレーニングとサポートを提供しています。また、主要企業はデータセキュリティと法規制の遵守を最優先とし、患者情報のプライバシーと機密性に関して患者と医療提供者の信頼感を高めています。これらの企業は、カスタマイズされた健康情報、予約スケジューリング、投薬管理など、パーソナライズされた患者体験を提供することで、患者の満足度とロイヤルティを高めています。さらに、トップ企業は業界のトレンドや進化する患者のニーズを常に把握し、継続的な適応と改善を可能にしています。患者ポータル技術の進化とグローバルな展開に尽力することで、市場の成長を促進し、業界リーダーとしての地位を強化しています。

本レポートでは、患者ポータル市場の競合状況を包括的に分析しています。主要企業の詳細プロフィールも掲載しています。同市場の主要企業には以下の企業が含まれます：

Allscripts Healthcare Solutions Inc.
Athenahealth Inc.
Bridge Patient Portal Inc.
Cerner Corporation
Chetu Inc.
CureMD Healthcare
Eclinicalworks LLC
General Electric Company
Greenway Health LLC
Intelichart LLC
McKesson Corporation
Nextgen Healthcare Inc.

最近の動向
2023年7月、オールスクリプツ・ヘルスケア・ソリューションズ社は、2つの複数年医療プロバイダー契約を締結したことを発表しました。State of Franklin Healthcare Associates (SOFHA) は、東テネシー州上部およびバージニア州南西部の著名な医師が経営・主導するプライマリケアおよび多科目専門医療システムで、このほど Veradigm との提携を拡大しました。Veradigm の主要 EHR クライアントの一つとして、SOFHA は Veradigm Revenue Cycle Services を包含する契約を拡大しました。
2023年5月、LCH Health and Community Services 社は、athenahealth 社と提携し、患者および医療提供者の体験を向上させ、成長戦略を強化します。
2021年4月、ブリッジ・ペイシェント・ポータル社は、革新的な患者受付ソリューションの開始を発表しました。このソリューションは、患者のチェックインプロセスを合理化します。

本レポートで扱う主な質問

1. 2023年の世界の患者ポータル市場規模は？
2. 2024〜2032年の世界の患者ポータル市場の予想成長率は？
3. 患者ポータルの世界市場を牽引する主要因は？
4. COVID-19が世界の患者ポータル市場に与えた影響は？
5. ポータルに基づく世界の患者ポータル市場の内訳は？
6. 展開モードに基づく患者ポータルの世界市場の内訳は？
7. エンドユーザーに基づく患者ポータルの世界市場の内訳は？
8. 患者ポータルの世界市場における主要地域は？
9. 患者ポータルの世界市場における主要プレイヤー/企業は？