1. 1,12-ドデカン二酸
1.1. 一般情報、類義語
1.2. 組成、化学構造
1.3. 安全性情報
1.4. 危険有害性の特定
1.5. 取り扱いと保管
1.6. 毒性学的および生態学的情報
1.7. 輸送情報
2. 1,12-ドデカン二酸の用途
2.1. 1,12-ドデカン二酸の応用分野、川下製品
3. 1,12-ドデカン二酸の製造法
4. 1,12-ドデカン二酸の特許
概要
概要
発明の概要
発明の詳細な説明
5. 世界の1,12-ドデカン二酸市場
5.1. 一般的な1,12-ドデカン二酸市場の状況、動向
5.2. 1,12-ドデカン二酸のメーカー
– ヨーロッパ
– アジア
– 北米
– その他の地域
5.3. 1,12-ドデカン二酸のサプライヤー（輸入業者、現地販売業者）
– 欧州
– アジア
– 北米
– その他の地域
5.4. 1,12-ドデカン二酸市場予測
6. 1,12-ドデカン二酸市場価格
6.1. 欧州の1,12-ドデカン二酸価格
6.2. アジアの1,12-ドデカン二酸価格
6.3. 北米の1,12-ドデカン二酸価格
6.4. その他の地域の1,12-ドデカン二酸価格
7. 1,12-ドデカン二酸の最終用途分野
7.1. 1,12-ドデカン二酸の用途別市場
7.2. 1,12-ドデカン二酸の川下市場の動向と展望
1,12-ドデカンジオ酸は、化学式C12H22O4を持つ長鎖ジカルボン酸で、CAS番号は693-23-2です。この化合物は、炭素数が12の直鎖アルカンに、端末にカルボキシル基がそれぞれ結合している構造を持ちます。この構造により、水に対しては比較的低い溶解性を示すが、有機溶媒には溶けやすい性質を持っています。また、分子量は230.31 g/molで、常温では白色の結晶性粉末として存在します。
1,12-ドデカンジオ酸は、主に高性能ポリアミド（ナイロン）の原料として使用されています。特に、ナイロン612やナイロン1212のような特殊ナイロンは、この化合物を中間体として合成されます。これらのナイロンは、優れた耐熱性、耐薬品性、および機械的強度を持つため、自動車部品、電気・電子材料、産業用繊維などの高性能用途に利用されます。
製造法としては、1,12-ドデカンジオ酸は主にラウリン酸の酸化や、1,12-ドデカンジオールの酸化、もしくはドデカンのオゾニゼーション技術により合成されます。一部のプロセスは、複雑で高価なため、工業的には生産効率が高く、経済性のある製造法が求められています。
特性については、1,12-ドデカンジオ酸は、熱に対して安定であり、他の多くの有機酸と同様に、加熱時に脱炭酸化やラクトン化が進行しにくい性質を持つため、加工および成形が比較的容易です。また、分子骨格の長さと直線性により、合成されたポリマーは結晶性が高く、柔軟性に優れた物性を発揮します。
関連する特許としては、1,12-ドデカンジオ酸を用いた新規ポリマーの製造プロセスやその改良技術に関するものが存在します。これにより、熱安定性、耐候性、および低吸水性を改善した新素材の開発が進められています。
安全性については、1,12-ドデカンジオ酸は、皮膚や目への刺激性が低いとされていますが、粉末を吸入することにより、一時的な呼吸器系への刺激を引き起こす可能性があります。取り扱いには基本的な個人保護具の着用と、換気の十分な作業環境が推奨されます。また、環境に対する影響としては、微生物による生分解性があり、適切な処理が行われれば蓄積による生態系への影響は比較的少ないと考えられます。
このように、1,12-ドデカンジオ酸は、特に内部環境や合成材料の分野で多くの可能性を秘めた化合物です。今後も新しい材料や技術の開発において、その利用の広がりが期待されます。
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