1. N N-ジグリシジル
1.1. 一般情報、類義語
1.2. 組成、化学構造
1.3. 安全性情報
1.4. 危険有害性の特定
1.5. 取り扱いと保管
1.6. 毒性学的および生態学的情報
1.7. 輸送情報
2. N N-ジグリシジルの用途
2.1. N N-ジグリシジルの応用分野、川下製品
3. N N-ジグリシジルの製造法
4. N N-ジグリシジルの特許
概要
概要
発明の概要
発明の詳細な説明
5. 世界のN N-ジグリシジル市場
5.1. 一般的なN N-ジグリシジル市場の状況、動向
5.2. N N-ジグリシジルのメーカー
– ヨーロッパ
– アジア
– 北米
– その他の地域
5.3. N N-ジグリシジルのサプライヤー（輸入業者、現地販売業者）
– 欧州
– アジア
– 北米
– その他の地域
5.4. N N-ジグリシジル市場予測
6. N N-ジグリシジル市場価格
6.1. 欧州のN N-ジグリシジル価格
6.2. アジアのN N-ジグリシジル価格
6.3. 北米のN N-ジグリシジル価格
6.4. その他の地域のN N-ジグリシジル価格
7. N N-ジグリシジルの最終用途分野
7.1. N N-ジグリシジルの用途別市場
7.2. N N-ジグリシジルの川下市場の動向と展望
N,N-ジグリシジルアニリン（化学式: C12H15NO2、CAS番号: 2095-06-9）は、様々な工業的応用がある特殊化学物質です。この化合物は、アニリンのアミノ基にグリシジル基が二重に結合した構造を持ち、主にエポキシ樹脂の硬化剤あるいは架橋剤として利用されています。エポキシ樹脂はその機械的強度や耐化学性、電気絶縁性に優れており、様々な産業分野で使用されていますが、その性能は硬化剤の選択によって大きく左右されます。
N,N-ジグリシジルアニリンの用途はエポキシ樹脂産業における重要性に関連しており、一般的には塗料、接着剤、封止材等の製品に利用されます。これにより、防食塗料や高性能接着剤の製造において、その優れた耐薬品性と機械的性能を最大限に引き出すことが可能になります。また、高温環境での機械的安定性や化学的耐性を必要とするアプリケーションにおいても使用されます。
N,N-ジグリシジルアニリンは、それ自体がエポキシ基を持つため、他の化合物と反応しやすく、高い反応性を有しています。これにより、エポキシ樹脂の硬化プロセスにおいて効率的に働きます。分子内にある2つのエポキシ基は、化学反応により他の分子と架橋構造を形成し、結果としてポリマーの強靭なネットワークを作り上げます。さらに、この物質は機械的強度だけでなく、耐熱性および耐化学性も向上させます。
製造方法としては、一般にアニリンとエピクロロヒドリンを原料とし、それに塩基を用いて反応させて行われます。これは、まずアニリンのアミノ基を塩基性条件下で陰イオン化させた後、エピクロロヒドリンと反応させることでグリシジル基を導入します。このプロセスは、主に化学産業における標準的な手法であり、比較的スケールアップが容易です。
関連特許や技術としては、N,N-ジグリシジルアニリンが配合されたエポキシ樹脂の種々の特性を改善するためのさまざまな技術が存在します。例えば、高温での物理的安定性を持ちながら、優れた電気特性を維持するための特許がいくつか存在します。また、耐候性や耐薬品性を強化するための改質手法に関する開発も行われています。これらの技術は、特に電子材料、航空宇宙産業、自動車産業などにおいて、厳しい環境条件下での使用が求められる場合に応用されています。
安全性に関しては、N,N-ジグリシジルアニリンは化学物質としての反応性が高いため、取扱いには注意が必要です。特に、皮膚や粘膜への直接的な接触は避けるべきであり、吸入した場合の健康への影響についてもリスクが存在します。そのため、取り扱う際は適切な個人防護具（PPE）の着用が推奨されます。職業的暴露を防ぐために、作業環境の換気や専用の取り扱い設備を使用することが望まれます。法規制についても、特定の地域や国においては有害物質として規制されている場合がありますので、適用される法令を確認し遵守することが重要です。
このように、N,N-ジグリシジルアニリンはエポキシ樹脂の性能を大きく向上させるために非常に有用な化合物ですが、その反応性の高さゆえの取り扱いにおける注意が要求されます。また、技術の進歩に伴って、より新しく安全な化合物や技術の開発も進められています。
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