1. オキシジフタル酸二無水物（ODPA）
1.1. 一般情報、類義語
1.2. 組成、化学構造
1.3. 安全性情報
1.4. 危険有害性の特定
1.5. 取り扱いと保管
1.6. 毒性学的および生態学的情報
1.7. 輸送情報
2. オキシジフタル酸二無水物（ODPA）の用途
2.1. オキシジフタル酸二無水物（ODPA）の応用分野、川下製品
3. オキシジフタル酸二無水物（ODPA）の製造法
4. オキシジフタル酸二無水物（ODPA）の特許
概要
概要
発明の概要
発明の詳細な説明
5. 世界のオキシジフタル酸二無水物（ODPA）市場
5.1. 一般的なオキシジフタル酸二無水物（ODPA）市場の状況、動向
5.2. オキシジフタル酸二無水物（ODPA）のメーカー
– ヨーロッパ
– アジア
– 北米
– その他の地域
5.3. オキシジフタル酸二無水物（ODPA）のサプライヤー（輸入業者、現地販売業者）
– 欧州
– アジア
– 北米
– その他の地域
5.4. オキシジフタル酸二無水物（ODPA）市場予測
6. オキシジフタル酸二無水物（ODPA）市場価格
6.1. 欧州のオキシジフタル酸二無水物（ODPA）価格
6.2. アジアのオキシジフタル酸二無水物（ODPA）価格
6.3. 北米のオキシジフタル酸二無水物（ODPA）価格
6.4. その他の地域のオキシジフタル酸二無水物（ODPA）価格
7. オキシジフタル酸二無水物（ODPA）の最終用途分野
7.1. オキシジフタル酸二無水物（ODPA）の用途別市場
7.2. オキシジフタル酸二無水物（ODPA）の川下市場の動向と展望
オキシジフタル酸二無水物（Oxydiphthalic dianhydride、ODPA、CAS 1823-59-2）は、高性能ポリイミドの前駆体として広く使用される化学物質である。ポリイミドはその優れた熱的、機械的、および化学的特性により、電子機器、航空宇宙、エレクトロニクスや高温条件下でも安定な材料として利用されている。ODPAは、その構造により、特に耐熱性と電気絶縁性に優れたポリイミドの合成において重要な役割を果たす。
ODPAは二無水物であり、フタル酸の二環性化合物として合成される。この化学物質は、2個の無水フタルイミド基が酸素原子を介して結合しているため、独自の特性を持つ。ODPAは、ポリイミド合成においてジアミン化合物と共重合させることで、さまざまな応用に耐える高分子材料を形成する能力がある。その結果、ODPAベースのポリイミドは、柔軟性、耐久性、また高いガラス転移温度を有するなど多くの優れた特性を兼ね備えている。
ODPAの主な用途は、高性能ポリイミドフィルムやコーティングの製造である。これらの材料は電子部品の絶縁体や基板、ワイヤーコーティング、さらに液晶ディスプレイ（LCD）やフレキシブルディスプレイ技術に応用されている。また、航空宇宙産業でも軽量かつ耐熱性の高い材料としてその利用が進んでいる。これらの材料特性は、極限環境下でもその性能を発揮する。
ODPAの製造は主にフタル酸無水物の誘導体化によって行われる。このプロセスでは、適切な反応条件下でフタル酸二無水物とフタル酸アンハイドライドを反応させ、ターゲット化合物を得る。製造プロセスは、多段階の精製工程を経て、高純度のODPAを得るよう設計されている。
関連する特許や技術においては、ODPAを含む特定のポリイミド構造に関するものや、その製法に関する技術が含まれている。これには、高分子合成プロセスの最適化や、得られた材料の特性改善に関する工学的なアプローチが考えられる。特許文献では、特定のジアミンとODPAを用いたポリイミド製品の製造方法も数多く公開されており、この分野の研究開発は継続的に進められている。
安全性に関しては、ODPAは取り扱いに注意が必要な化学物質であり、適切な保護具の着用と、換気の十分な環境での作業が必須とされている。特に、化学物質から放出される粉塵や蒸気の吸入は健康に有害であるため、個人用保護具（PPE）の使用が推奨される。さらに、化学物質取り扱いに関連するMSDS（Material Safety Data Sheet）を熟読し、安全管理基準を遵守することが重要である。
このように、オキシジフタル酸二無水物は、現代の多様な産業アプリケーションにおいて欠かせない化学物質であり、その特性と用途の広がりは今後もさらに増えていくことが予想される。特に、多様化する技術要求に応じた高性能材料の需要に対してODPAの重要性は増していくであろう。
❖ 免責事項 ❖
http://www.globalresearch.jp/disclaimer
