1. ジルコニウム-n-ブトキシド
1.1. 一般情報、類義語
1.2. 組成、化学構造
1.3. 安全性情報
1.4. 危険有害性の特定
1.5. 取り扱いと保管
1.6. 毒性学的および生態学的情報
1.7. 輸送情報
2. ジルコニウム-n-ブトキシドの用途
2.1. ジルコニウム-n-ブトキシドの応用分野、川下製品
3. ジルコニウム-n-ブトキシドの製造法
4. ジルコニウム-n-ブトキシドの特許
概要
概要
発明の概要
発明の詳細な説明
5. 世界のジルコニウム-n-ブトキシド市場
5.1. 一般的なジルコニウム-n-ブトキシド市場の状況、動向
5.2. ジルコニウム-n-ブトキシドのメーカー
– ヨーロッパ
– アジア
– 北米
– その他の地域
5.3. ジルコニウム-n-ブトキシドのサプライヤー（輸入業者、現地販売業者）
– 欧州
– アジア
– 北米
– その他の地域
5.4. ジルコニウム-n-ブトキシド市場予測
6. ジルコニウム-n-ブトキシド市場価格
6.1. 欧州のジルコニウム-n-ブトキシド価格
6.2. アジアのジルコニウム-n-ブトキシド価格
6.3. 北米のジルコニウム-n-ブトキシド価格
6.4. その他の地域のジルコニウム-n-ブトキシド価格
7. ジルコニウム-n-ブトキシドの最終用途分野
7.1. ジルコニウム-n-ブトキシドの用途別市場
7.2. ジルコニウム-n-ブトキシドの川下市場の動向と展望
ジルコニウム-n-ブトキシド（CAS番号1071-76-7）は、有機金属化合物の一つで、化学式Zr(OC4H9)4で表される。これは、ジルコニウムを中心とする四面体構造を持ち、4つのn-ブトキシ基がジルコニウムに結合している。ジルコニウムアルコキシドとして分類され、この種の化合物は一般に有機溶剤に可溶で、さまざまな化学合成プロセスにおいて非常に重要である。
ジルコニウム-n-ブトキシドの主な用途は、材料科学や化学工業において幅広い。特に、ジルコニウムベースの薄膜やコーティングの製造に用いられる。この化合物は、ゾル-ゲルプロセスを通じて酸化ジルコニウム（ZrO2）薄膜を形成するための前駆体として使用される。このプロセスでは、ジルコニウム-n-ブトキシドが加水分解および重縮合反応を経て、極めて均一で制御された微細構造を持つ酸化ジルコニウム薄膜を生成することができる。これらの薄膜は、誘電体材料、触媒サポート、センサー、耐火性材料などの用途において重要な役割を果たす。
ジルコニウム-n-ブトキシドの特性として、その反応性と揮発性が挙げられる。アルコールと容易に反応して異なるジルコニウムアルコキシドを生成するほか、水との加水分解反応で酸化ジルコニウムを生成する。このため、取り扱いには慎重を要し、特に湿気を避けて保管する必要がある。また、室温での保存中でも分解や発火の危険があるため、保護ガスを用いた密閉容器での管理が推奨される。
製造方法に関しては、一般に純粋なジルコニウム金属またはそのハロゲン化物をn-ブタノールと反応させるプロセスが用いられる。この反応は、酸や塩基の触媒存在下で行われ、最終的に、ジルコニウム-n-ブトキシドが生成される。反応条件や触媒の選択によって、生成物の純度や収率が大きく影響されるため、適切な条件の設定が重要である。
関連特許や技術としては、特に半導体製造プロセスにおける酸化ジルコニウム薄膜の製造技術が挙げられる。これらの技術は、高誘電率材料や絶縁ゲート層の製造に向けて、ジルコニウム-n-ブトキシドを前駆体として使用することを特徴としている。この分野での研究開発は日々進んでおり、さまざまな種類のアルコキシドを前駆体として用いる新たな合成方法が継続的に報告されている。
安全性に関して、ジルコニウム-n-ブトキシドは刺激性があるため、直接の皮膚接触や吸入は避けなければならない。取り扱う際には、適切な保護具の着用が求められる。また、引火性のある化合物であるため、火気の近くでの使用や保管は厳禁である。万一、化学物質に曝露された場合には速やかな対処が必要となる。産業環境下では、該当する安全データシート（SDS）に基づいた危険情報と応急措置方法に従い、適切な安全対策を講じることが最重要である。
ジルコニウム-n-ブトキシドの使用における技術革新は、ますます多様化する先端材料の需要に応える形で発展を続けている。材料開発の先端でこの種の化合物は、新しい機能性材料の設計や製造に重要な役割を果たし続けるだろう。さらなる研究開発は、前駆体化学やプロセス制御の向上によって、より高度な機能を持つ材料の創出につながることが期待されている。
❖ 免責事項 ❖
http://www.globalresearch.jp/disclaimer
